発達外来
神経発達症(しんけいはったつしょう)は、子どもの頃から脳の発達や働き方に特性(違い)があり、そのために日常生活でいくつかの困難が生じる状態の総称です。これは、いわゆる「発達障害」と呼ばれてきたもので、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)など様々な種類が含まれます。脳の発達や機能の特性による、生まれつきの状態です。小さい頃から特有の「得意・不得意の偏り」が現れ、日常生活・社会生活・学習などで困難が生じることがあります。病気ではなく、生まれつきの脳の働き方の違いによって起こるものです。
1.代表的な例として、以下のようなものがあります。
- 自閉スペクトラム症 (ASD):
相手の気持ちやコミュニケーションが取りにくく、人付き合いが苦手。興味の範囲が狭く、同じ遊びや行動を繰り返す傾向があります。決まったパターンを好み、急な予定変更への適応が苦手です。また音や光、肌触りなど感覚が過敏または鈍感なこともあります。 - 注意欠如・多動症 (ADHD):
一つのことに集中し続けるのが難しいこと、多動・衝動性(落ち着きがない、考えるより先に行動してしまう)といった特性が見られます。例えば授業中に席を離れて動き回ってしまったり、忘れ物が多かったりします。 - 学習障害 (LD):
知的発達に大きな遅れはありませんが、読む・書く・計算するといった特定の学習分野の中ですべて苦手というより、一つだけが極端に苦手なこどもが多い。
2.周囲の理解がなぜ大切か
- 神経発達症の特性は外見から分かりにくいため、周囲からは単なるわがままや怠けと誤解されてしまうことがあります
- 周囲の無理解による叱責や孤立は、子どもの自己肯定感を下げてしまいます。「どうせ自分なんて…」と自信を失ったり、二次的にうつ状態など心の問題を引き起こすこともあります。
- 周囲が特性を理解していれば、「怠けているのではなくサポートが必要なんだ」と気づくことができます。
- 誰もが特性の違いを持っています。発達障害の特性を持つ人は決して特別な存在ではなく、近年の調査でも身近にたくさんいることがわかっています
3.よくある誤解と正しい理解
- 発達障害は育て方の問題ではありません。親御さんが自責の念を持つ必要は全くなく、むしろ正しい知識を持ってサポートに向き合うことが大切です。
- 脳の働きに特性があるから行動パターンが周囲と違って見えるのであって、決して努力を怠っているわけではありません。
- 知能の高低に関係なくコミュニケーションや注意集中など特定の領域で困難がある場合に発達障害ととらえます。
- 一見すると困りごとが少なく見える「グレーゾーン」や「軽度」と言われる場合でも、本人にとっては深刻な「生きづらさ」を抱えていることがあります。
- 発達障害の特性自体は大人になっても持ち続けることが多いです。ただし、経験や学習によって本人が対処法を身につけたり、環境を自分に合うよう選択できるようになるため、周囲から困難が見えにくくなる場合もある。
4.どのように支援できるか?
- 発達障害のある子どもには、特性に合わせた環境調整が大切です。音や光に敏感な子には静かな空間を、予定の変化が苦手な子にはスケジュール表など視覚的なサポートが有効です。指示は短く具体的に伝え、できたことをすぐに褒めて自信につなげましょう。家庭と学校で対応に一貫性を持たせることで安心感が生まれます。必要に応じて児童発達支援や通級指導、発達障害者支援センターなどの公的支援を活用し、ペアレント・トレーニングなどで保護者も対応力を高めることができます。また、地域や学校全体で発達特性への理解を深め、子どもたちを温かく見守ることが支えとなります。「みんな違って当たり前」という意識で、誰もが安心して過ごせる社会づくりが求められています。
こころ育み相談
ひとりひとりの身体の成長が様々なように、お子様ひとりひとりのこころの育ちも様々です。ひとつの正しい姿というものがあるわけではなく、その子のペースに合った育ちを見守り、支えられるよう、当院では、臨床心理士による”こころ育み相談”という心理・発達についての相談の場をもうけて、保護者の皆様とともに考えていければと思います。
- どんなことが相談できるの?
- 言葉がおくれている
- かんしゃくや夜泣きがひどい
- 登園や登校がしにくい
- じっとすることが苦手で落ち着きがない
- 爪を噛んだりまばたきが多いなどのクセがある
- 気持ちが不安定になると腹痛や頭痛がおこる
相談内容も様々です。上記以外にも、お子様の様子で気になることがあれば、ささいなことでもご相談ください。相談内容によっては、心理検査なども受けることができます。
相談申し込みの流れ
こころ育み相談は予約制です。当院の公式LINE・電話からお問い合わせください。
当院でこころ育み相談を始めて受ける方(風邪やアレルギーなどの身体症状での受診は除く)
- 心理士による予診1000円(自費負担)
保護者の方から当院で希望されることや、受診歴・相談歴の有無などを簡単にお伺いし、当院で相談を受けることができるか判断します。 - 初回面接 3000円(自費負担)
保護者の方から相談内容や生育歴、ご希望されることについて詳しくお伺いし、今後の方針を決定します。
料金
- ご本人を含めたカウンセリング 1回500円(保険適用)
基本は、お子様と保護者の方でお越しいただき、それぞれからお話をお聞きします。お子様はなかなか言葉で自分の思っていることを表現するのが難しいところもありますので、遊びを通して関わることが多いです。
カウンセリングに関する保険の適用が最長4年のため、それ以降の料金はその時点での診断、症状によって自費負担に変わる場合があります。 - 心理検査 1回 500円(保険適用)
得意・不得意などの発達面、対人関係での特徴、心理状態などについて、検査で知ることが出来ます。 - 育児や子どもへの接し方、保護者自身の相談事、心理検査結果のフィードバック、子どもの進路や福祉支援についてのご相談をすることができます。診断書、意見書などの書類の発行1通
5000円(自費負担)特別児童扶養手当、療育や放課後デイサービスを利用するための診断書などを発行することができます。